僕が好きなどちらがお得シリーズである。
カウンティングを省略する手筋を紹介する。想定読者は詰めチャレガチ勢。
明らかにpart1で紹介すべき手筋ではないが、まあ思いついちゃったからしょうがない。
まずは今回取り扱う盤面を見てもらおう。
(棋譜boxを使用)
違いはe4の石のみ。
詰めチャレで何回か遭遇し、その度に悩んでいた二択。
そろそろちゃんと学ぼうと思い、盤面編集をして実験した所、ひとまずの結論が出た。
結論
(e5以降の)e列とCラインの稼ぎを比べる。
盤面1はe列の稼ぎが多いのでe8,盤面2はCラインの稼ぎが多いのでb8が最善となる。
(基本は内側から打つのが良いため、時間が足りなかったら内側から打つ。)
細かい説明
e5の石がストッパーになるため、「e列のe5以降の石 or Cラインのe5以降の石」のどちらかを諦めるしかない。逆に言えば、稼ぎの多い方を優先して打てば良い。
盤面1ではe列2石>Cライン1石。
盤面2ではCライン1石>e列0石。
本当にそこだけの違いなのかと疑問に思う人もいるだろう。実はその他にも細かい石の違いはあるのだが、それらを統合すると都合よくプラマイ0になるため考慮しなくて良い。
具体的には、
①b8から打つと、白d8の時に取られるb6,c7の2石がマイナス。
②e8から打つと、白d8の時に取られるd7,e7の2石がマイナス。
つまり、統合すればプラマイ0のため、考えなくて良い。
(これらはスクショ検討で分かる。以下の記事を参照。)
-
スクリーンショットを活用した局後検討のすすめ
オセロの上達には局後検討が一番効くと僕は思う。 いまだにオセロクエストで打った対局は毎試合棋譜boxで振り返るようにしている。 今回の記事では、局後検討の際のちょっとしたテクニックであるスクリーンショ ...
おまけ盤面
おまけ盤面1
例外となる局面を取り上げる。本記事の理論によれば、b8とe8の評価値は同じになるはずだが、実際はe8の方が優れている。
盤面2との違いはe8に打った時に斜めが返るかどうか。「細かい説明」の中の②で書いたように、e8から打つと白d8で取り返される分がマイナスなのだが、盤面2と比べると斜めが返らない分取り返される石が一つ減る。つまり②' 初手e8のデメリットはe7の1石、①初手b8のデメリットは変わらずb6,c7の2石なので初手e8が最善となる。相対的にb8が弱くなったわけだ。
以上より、e8で斜めが返らない場合は、e列とCラインの稼ぎの違いに加えて誤差1石を勘定せねばならず、それなら普通にカウントした方が早いし間違えなさそうだ。そのため、この場合は普通にカウントすることをお勧めする。
おまけ盤面2
d6に黒石がある場合はどうだろうか。
この場合はどちらから打っても変わらない。b8とe8の稼ぎが競合しないからだ(e5にストッパーの石ができない)。
おまけ盤面3
盤面6を紹介するためにワンクッション挟む。
空きマスは増えているが、基本は変わらない。Cラインの稼ぎ方が多いためb8が最善となる。
おまけ盤面4
盤面5からb5の石を反転した。
この局面は例外でe8が最善となる。左辺を取られる前にe8に打たないと斜めの稼ぎがなくなるからだ。
あと書き
書いていて(盤面編集をしていて)気づいたが、圧倒的にCラインより縦の稼ぎの方が大きいケースが多い。つまり、内側から打つケースのほうが多い。たまにC打ちが最善の時があって、なんでだろうなーと感じていたからその理由が分かって個人的にはすっきりした。
当然だが時間がある時は愚直にカウンティングした方が正確で良い。これは時短用のための手筋である。
カウンティング強者である某高段者のY氏から、本記事のような細かい終盤の手筋を考えるよりも愚直にカウティングした方が結果的には強いとのアドバイスを頂いた事がある。時間がない時であっても人によってはカウティングした方がミスが少ないかもしれない。
僕はしばらくは「愚直なカウンティング」と「手筋カウンティング」のハイブリット型でやっていこうと思う。並行してカウンティング力も高めないとね。
お試し問題
本記事の理解を試すための問題。
問題1
評価値を表示する問題2
評価値を表示する問題3
評価値を表示するあとがき2
ChatGPTにお願いして盤面切り取りアプリを作ってもらった(個人用のため公開はしないです)。
今回、棋譜boxの画像を計12枚とふんだんに使った。盤面を用意したり、文章を考えたりするのは楽しいので良い。しかし、棋譜boxの画面をスクショして毎度盤面だけ切り取るのが面倒くさい。たまにピッタリ切り取れず見切れてしまったりして、少しずつフラストってくる。
そこでどうにか自動化できないかと考えた。結果、GPT君と1時間程度作業して簡易的なWebアプリ(?)が作れました。
PythonのFlaskフレームワーク(?)とOpenCV(?)を使っているらしい。初めてWebアプリなるものを作ったけど、思ったより簡単で驚いた。
ここのページに変換したい画像をアップロードするとすべて変換してくれてzip形式でダウンロードできる。
良きかな。
最初は変換してくれなくて焦ったが、GPT君に「変換できてないよ!」と何度か伝えたところ勝手に修正してくれた。
久々に役立ってくれました。
p.s.
嫌な予感がして棋譜boxをいじっていた所、「スクリーンショットの共有」から盤面のみのスクショを保存できた。
さ、さすが棋譜box様です......。
ただ、5タップ必要なので、枚数が多い時は今回作成したWebアプリに頼ることになりそう。