オセロの上達には局後検討が一番効くと僕は思う。
いまだにオセロクエストで打った対局は毎試合棋譜boxで振り返るようにしている。
今回の記事では、局後検討の際のちょっとしたテクニックであるスクリーンショットを活用した検討方法を紹介する。
なんと言うことはなくて、似た局面をスクショして横に並べることで微妙な違いが一目で分かる、という検討方法だ。
2つの例を通じて、具体的に見ていこう。
例1
検討する場所とモチベーション
僕がオセロクエスト5分持ちで出会った局面。
b6とc6で迷い、約40秒かけて次善のc6を選択したが、b6より4石損だった。
悩んだ末に間違えた場所は、悔しい気持ちもあり深く検討することが多い。
この局面のb6とc6の違いを検討してみよう。
この場合、考えるのは「評価値の意味」だ。具体的にいえば、「b6の方がc6より評価値が4石優れているのはなぜか」を考える。
ソフトの評価値はそれだけでは無色だが、自分で意味を与えて色をつける作業をする。
評価値の意味
c6がきれいな中割りなのに対し、b6は相手に余裕種を与える中辺の横取りで一見悪手に思える。
しかし、Cラインが通っていてb6に打っても白がa7に打てないのでその点では問題ない。
初手b6の後は双方最善でc6c8と進む。相手は余裕種を潰す手を選択している。
次善の初手c6の後は双方最善でb6c8と進む。
先ほどの局面と似ているが、若干違う。
ここでスクショの出番だ。
両局面をスクショして、2つの写真を何度もスワイプして移動することで、どの石が違うかを確認できる。
今回はc4とd5の石の色が違う。最善からの場合はc4に白石があるが、次善からだと無い。
結論から言うと、最善局面の方が、より深い場所に自分(白)の石を埋め込むことに成功しているため評価値が高い。これが「評価値の意味」だ。
より深い理解、盤面を進める
本来はこれぐらいの理解で十分なのだが、盤面を進めていたらこの違いが顕著に表れる局面になったので、それも併せて紹介する。
それぞれ白c8の後は双方最善で以下のように進む。
e8d8g2e7f8h1h2h4b8
黒がg2に打った時にd5の石が消えるので、両者の違いはc4の石のみである。
違いは1石のみだが、白h7の評価値が大きく違うことがわかる。
ここまでくれば強い方は何となく察すると思う。
それぞれの局面で白h7の後は双方最善でh6h5b2と進む。
この時に初手最善の局面ではCラインに石があるため、白はg8に打つことが出来るのだ。
つまり「Cラインって大事ね」という話だ。
(ちなみに白はg8でなくともa7からXラインを切れるが、その場合左辺も下辺もとれず、右下も上手く稼げないためg8よりもかなり評価値が低くなっている。)
また、両者の局面で同じマスの評価値が2石違うことが多いが、これは単純に初手最善から打つ方がc6の1石分お得だからだ。
検討の結論
この検討から得られる教訓は以下の通り。
- 深い場所に自分の石を埋め込むことの重要性。
- 返されにくいため種石になる。(単純に1石分、数に貢献もしてくれる)
- Cラインは大事。
- 今回のようなCラインに関わらなそうな局面ですら最後には関わってくる。
- よってCラインに消されない安全な石を忍ばせて置くことは精神安定的にも大事。
例2
もう一つスクショで検討した局面を紹介しよう。
これも僕がオセロクエストで出会った局面だ。
比較する場所
僕はf6と中割りを選択してしまったが、最善はc8だった。
長くなるため細かい説明を抜きにすると、それぞれ双方最善で以下のように進む。
両者の違いはc6の石のみだ。
評価値の意味
先ほどは「石がある」ことが嬉しかったが、今回の場合は「石がない」ほうが嬉しい。
c6に石がない方がいい理由を僕なりに推測すると「ボックスコーナーは自色でない方が良い」からだろう。
盤面を進める
実際に違いが分かる局面を紹介しよう。
例えば黒e1の後にd8と打つと、初手最善からの局面では黒は無理やり辺を取ることを迫られているのに対し、初手中割りからの局面ではe7とかわす余裕を見せている。
この違いが生まれる理由が「左下のボックスコーナーの色が違うから」だ。
くどくなるので説明をはしょると、つまるところ白が下辺でピュアウイングを作った時に黒が左下Xに打てるかどうかが違う。
初手最善からの局面で、黒が無理やり辺を取ることを嫌ってe7とかわすと白に下辺を取られる。
その場合、下辺をピュアウイングにされてもボックスコーナーが自色なので黒は何も仕掛けられない。
検討の結論
- 以上のことからも分かるように「ボックスコーナーは自色でない方が良い」と言える。
- 初手まで盤面を戻すと、白視点で、黒e8→白c8よりも白c8→黒e8の方がc8で白にしたボックスコーナーをe8でまた黒くしてくれるから理想的であると理解できる。
記事の結論
スクリーンショットで似た局面を横に並べて比較することで、「石の違い」と「評価値の違い」が一目で分かる、と言う検討方法を紹介した。
上記の2局面は、実は同じ日に出会ったもので、案外スクショ検討も使えるものだなと思い記事執筆に至った。
例としては少々分かりずらかったかもしれず申し訳ない。
そもそもこんな細かい所まで検討する価値があるのかは正直わからない。
僕はずっとそうやってきたので、役に立っていると信じたい。
以前書いた下記の記事でも似たようなことを取り上げているので、よろしければご参考になさってください。