よくある質問
「オセロ強くなるためにはどうすればいいですか」と良くYouTubeのコメント欄で聞かれることがあります。
始めたての人にはそれなりのアドバイスができますが、オセロクエストの赤レートレベルや六段レベルの人に聞かれることもあり、その時はイマイチ納得のいくアドバイスが出来てない気がしています。
なので、自分の整理のためにも今回の記事を書いてみます。
読者としては、オセロクエスト六段以上を目指すレベルを想定しています。
強くなるためには
今回の記事は強くなるための「練習方法」にはあまり焦点を向けません。
それよりもむしろ「オセロが強い人はどういうスキルが秀でているのか」という点に注目していきたいと思います。
「オセロが強くなるための課題」とも言えます。
何事も強くなるには、
自分に足りていないスキル、課題点を見つけ→克服する
という流れの積み重ねが大切です。
今回は練習論よりも、人それぞれの課題という本質的な部分に注目していきます。
なので若干抽象的な記事になるかもしれませんが、ご了承ください。
強くなるために必要な9つの課題とスキル
- 序盤研究
- 手筋の記憶(理解)
- 形勢判断力
- 盤面再生力(空間把握能力)
- カウンティング力(脳内計算力)
- 時間の使い方
- バランス感覚
- 集中力、精神力(決断力、慎重さ)
- 正確性と早さ
序盤、中盤、終盤によって必要なスキルは変わってきます。
序盤
- 序盤研究(広さ、深さ)
- 記憶力、思い出す力
(序盤は研究範囲内と定義します。)
序盤はシンプルでいかに広く、深く研究しているかが問われます。
中盤
- 形勢判断力(脳内評価値)
- 盤面再生力
- 中央志向、手数優先などのバランス感覚
- 時間の使い方(終盤に残す)
- 決断力(精神力に通ずる)
中盤でやることは取捨選択です。
数手進めた先の盤面の形成を比較して最善を探す必要があります。
中終盤(魔の40手目付近)
- 終盤の構想を立てる力(立てづらい試合もある)
- 形勢判断力(脳内評価値)
- 盤面再生力
終盤に向けての構想力が大事になります。
偶数、連打、稼ぎどころ、手数 etc.
を考慮して一番良さそうな流れを探します。
狙いを整理する時間ですね。
終盤
- 盤面再生力
- 手筋の記憶(理解)
- カウンティング力
-
慎重さ(精神力に通ずる)
七段を目指すならざっとなら10手読みぐらいはしたいです。(10マス空きを最後まで読みきる)
終盤の手筋は恐ろしく多くそれを全部教えてくれる教材や人はいないと思います。
自分で見つけてインプットしていくしかないです。
- 白番の弱点、黒番の勝ちの狙い方
- 4マス空き(O,T,I,L字)それぞれの特徴
- 稼ぎやすい形、稼ぎにくい形
などなどですね。
スポンサーリンク
では、課題・スキルについて一つずつ見ていきます。
序盤研究
上を目指すにあたって序盤研究は避けては通れません。
序盤研究のメリットは
- 悪手を打たない
- 時間を使わない
の二つで、これがシンプルなようで大変重要です。
ただ闇雲に研究すればいいわけではなく、効率的に覚える必要があります。
- 打つ定石を絞り、研究範囲を狭める。
- よく打たれる流れを重点的に覚える。
- いつも負ける流れはより深く研究するor別の定石にする。
- 逆にほぼ打たれないレア定石の研究に時間をかけない。(非効率)
などです。
理由付けをすると覚えやすく、勉強に通ずるところがあるかもしれません。
手筋の記憶(理解)
系統化して手筋化する能力です。
いい手を覚えるだけでなく、間違った手筋や手筋の例外を更新する必要があります。
そのための第一歩として心がけて欲しいのが、「解析ソフトの推奨する手を意味不明で片付けない」ということです。
自分の考えとソフトの考えが食い違った時は成長するためのチャンスです。
1手にはちゃんとした理由があるので、自分なりになぜその手がいいのか、自分の手は悪いのか、と考える習慣をつけましょう。
形勢判断力(脳内評価値)
形勢と最善は密接な関係があります。
また、数手進めた先の形勢を比較するのが中盤で、中盤は特に形勢判断力が必要になります。
形勢判断は「なんとなく」「感覚で」行うものですが、実際どういう作業かというと、評価の足し算引き算だと言えます。
不安定要素、お得要素を覚えて足し算していくのです。
佐谷さんの本(現代オセロの最新理論)で辺の評価を数字で表したものがありましたが、あれを全ての要素でやります。
- 辺の形
- 隅周辺の形、ボックスコーナーの色
- 打てる数の多さ
- 余裕手の有無
などなどです。
各要素の加点方式を見直して更新し、より良いものにする必要があります。
間違いがちな加点・減点要素としては次のものがあります。
- ×ストナーは好手→手数を稼げないと悪手になり得る
- ×単独Cや序盤Xは悪手→形によっては最善の時もある
- ×ピュア山はさほど強くない→思った以上に強い
- ×TOFは強い→4マス空きソフトX始動のTOFは強くない
などなど。
解析ソフトや強い人の打ち方を参考にしてより良い形勢判断力を身につけましょう。
盤面再生力
数手進めた先を鮮明に思い描くスキルです。
全体を進めるのは非効率なので部分的に進める力も必要です。
繰り返し行うことで少しずつ精度は上がっていくとは思いますが、どうすれば上達するかなどは正直実感がありません。
空間把握能力でもあると思うので地頭の良さも関係してきそうです。
カウンティング力
脳内計算力です。
重複して数えないなど、いくつかのコツがあります。(いつか紹介できればします。)
これも慣れと地頭の良さが関係しそうです。
時間の使い方
考える方針を立てる力です。
今何を考えるべきか、時間を使う価値があるのか、リスクとリターンを比較します。
読まないでいいパターンとしては次の3つなどがあります。
- どれもさほど変わらない
- 明らかにある1手が最善
- 読んでもどうせ分からない
読まないでいい時に読むと、相手にその間に考えられてしまうので勿体無いです。
逆に相手が考えている時も考えておくことが大切です。
バランス感覚
特に中盤に必要となるのがバランス感覚です。
形勢判断力に通ずることでもあります。
オセロは全体のバランスを見ることが大事で、部分的に見ているだけではたどり着けない手もあります。
- 中央志向or手数志向(中割りor引っ張り)
- 偶数でまとめるor数でゴリ押し
- 辺を取るor取らない
などなど。
集中力、精神力
オセロは1手のミスが命取りなので1試合を通して集中する必要があります。
相手のプレーに惑わされず、常に敵は自分自身と言い聞かせましょう。
慎重さと大胆さ、自分を疑う気持ちと自分を信じる気持ちのバランスが大切です。
正確性と早さ
今までの項目の、精度と早さです。
強い人たちは全ての精度と早さが違います。
以上!
みなさんの課題は見つかりましたでしょうか。
人それぞれ得意な項目と不得意な項目があると思います。
ちなみに僕の課題はまぁ全てなんですが、強いてあげるなら形勢判断力とカウンティング力です。
あとこんな記事を書いておいてなんですが、楽しむことが一番なので「自分はぼちぼち楽しめればいい」というスタンスもいいですよね。
これからもオセロやオセロ仲間と仲良く付き合っていきたいです。(雑なまとめ)
またねー!
そう言えば、うみがめさんも似たような記事を書いていました。