皆さんこんにちは、ラスクです。
先日、僕のブログの記事で珍しくコメントを頂きました。
そこら辺にいる勉強中のオセラー さんからのコメント
いつも興味深い記事を書いて下さりありがとうございます。
(略)
ところでオセロの調子を維持するというのはオセラーの誰にとっても難しい課題だと思うのですが、
不調時に起きやすい一つの問題として
黒番と白番の勝率の差に著しく差が出るというのがあります
黒番が極端に悪くて白番が極端に良い
その逆もあり得ます
こうした事が起きる原因としてはどのような事が考えられるのでしょうか、
また対処方法として何ができますか。
(略)
このようなコメントは励みになりますし、記事のネタにもなるのでありがたいです。
コメントの内容とは少し異なりますが、本日は黒番と白番の違いについて書いていきたいと思います。
初・中級者向けの内容になりそうです。
その後、最後の方で「不調時に黒と白の差がうまれる理由」について考察します。
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大きな違い
まず、大きな違いは以下の二つでしょう。
- 序盤の定石の自由度
- 偶数理論の有無
特に偶数理論による違いは重要なので要チェックです。
序盤の定石の自由度
一般に黒の方が序盤の自由度が高いと言われています。
対斜めは5手目で多種の定石候補があり、対縦もうさぎ系、猫系、虎系の選択や虎系でも虎大量とスティーブンソンの選択権があります。
序盤で比較的主導権が握りやすいという理由で黒番が好き・得意という方もいます。
偶数理論の有無
白はなんと言っても偶数理論という特権があるのが強いです。
黒は偶数にハマらないために何かしら工夫をしなければなりません。
具体的には以下のような工夫があります。
- 逆偶数理論(白から打てない奇数空きを作る)
- 中辺などで大量に取ってゴリゴリ稼ぐ
- 不安定な奇数空きやXラインを積極的に作る
一つずつ見ていきます。
ポイントは「オセロにおいて黒は攻め、白は守りである」と「白は意外と制約が多い」という点です。
逆偶数理論
皆さんご存知の通り、「白から打てない奇数空き」(以後「逆偶」)を作って偶数理論を反転させる方法です。
なかなか綺麗な逆偶数になることは少ないですが、白に制約ができて勝てる事もあります。
中辺などで大量に取ってゴリゴリ稼ぐ
偶数理論を気にせずに、ゴリゴリ稼いでいく方法です。
特に中辺で稼ぐことが多いです。
白は偶数理論を遂行するためにケアすべき場所が多いので、黒の中辺の稼ぎを全て防ぐのは至難です。
不安定な奇数空きやXラインを積極的に作る
白は「安定」を、黒は「不安定」を目指しましょう。
白は無難に偶数理論で勝てればよく、逆に不安定だとケアすべき場所が多くなり、自由度の高い黒にしてやられてしまいます。
黒は偶数理論で簡単に負ける盤面を作らず、何か「主張」を作れるように不安定な局面を目指しましょう。
不安定な形の例
- 相手色の四連or即発系のXライン
- 白が打てないor打ちづらい奇数空き
- ウィング、双方C打ち、ピュアブロック
安定な形の例
- 四隅周辺の全てが偶数マス空き
- 爆弾(特に自色が中)、山、(ピュアじゃない)ブロック
黒は自由度が高い
さて、先程黒は自由度が高いと述べました。
ピンとこない方も多いと思いますので補足させてください。
白には偶数理論という強い味方がいますが、これは逆に制約でもあります。
偶数理論は「奇数空きに打て、さすれば道は開かれん」という理論でした。
四隅周辺の全てが偶数マス空きの時、偶数理論に従うと黒はどこに打ってもいいことになります。
しかし、(パスがない限り)白には常に奇数マス空きが回ってきます。
偶数理論に従うならばそこに打たざるを得ません。
そういう意味で白は制約が多く、黒は自由度が高いです。

という意見は実際その通りなのですが、従わないとうまくいかない局面が多いのも事実です。
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白は何を心がければいいか




- 安定な形を作る
- 逆偶数を過度に恐れない
安定な形を作る
不安定な辺を作らず、安定な辺を作るようにしましょう。
2つのXライン(と4つのCライン)の管理も重要です。
安定な形で偶数理論活用を目指すために、時に大胆な「捨て」が必要な時もあります。
確定石、手数、偶数理論を天秤にかけて正確な判断を下す力が求められます。
逆偶数理論を過度に恐れない
白から打てない奇数空きを作るのを恐れすぎないことも大事です。
逆偶数になっても、黒が稼ぎきれないケースがあります。
むしろ逆偶数を避けるために払うコストが高すぎて負けてしまうパターンも多いです。
不調時に黒と白の差がうまれる理由
さて、頂いたコメントに対して僕なりの考えを書いてみます。
不調時に黒と白の差がうまれる理由も知らずに、
やれ,、私は伏石でいつも黒を上にするだとか
偶数最強!などとツイートする人のなんと多いことか
でも、ラスクは知ってます。
不調時に黒と白の差がうまれるのは、、、
気のせい~~!
頂いたコメントに辺な茶番を入れてしまってすみません。
結構気のせいによる側面が大きいように思います。
しかし、気のせいだけとも言えないのでもうちょっと深く言及してみます。
少し数学的な話になります。
レートや勝率(特にレート)は実力に寄ってある値に収束します。
その値を理論値とすると、いつも理論値ぴったりになるわけではなく、多少振れ幅があります。
不調時の方が好調時よりもこの振れ幅が大きくなりやすい、というのが原因の一つと考えられます。
好調時は安定しているので、理論値通りになりやすいですが、不調時は不安定なので、片方だけ理論値から下に大きく外れることがあるのだと思います。
少しつまらない返答になってしまいました。
逆に考えると、波は自然にあるのだから多少の下振れは気にしない、という姿勢が大事なのかもしれません。
または、下振れている方の定石を見直してみたりするのはいいかもしれませんね。
以上!
本日は黒と白の違いと、チ○ちゃん劇場をお届けしました。
「白は安定、黒は不安定」、これだけでも覚えていってください。
何か記事にして欲しい話題などございましたら、何らかの手段で僕にコメントください。
面白そうな話題でしたら書こうと思います。
では、またね。